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山口はワシントンに滞在して大きなショックを受けました。日米間の理解の格差です。
日本の総理大臣が訪米すると、大統領をはじめ多くの要人に面会し、その様子は日本では連日、テレビ、新聞で報道されます。日米は対等に評価しあっている、という雰囲気です。しかしワシントンには世界130カ国から、連日大勢のトップの人々が訪問して来ていました。日本の総理もそのうちの一人にすぎないこと、ほとんどの人は興味を持っていないことにはじめて気がついたのです。
対等な相互理解が出来ているはず、と考えていたことが大きくくずれました。もっと近い中国や韓国でもきっと同じでしょう。
そのショックを機会に米国の知的財産の判例を読みつづけるようになりました。その成果が、多数の論文となり、数冊の出版物となりました。
しかし本当に行いたいことは、アメリカの思想の日本への紹介ではありません。知的財産の分野における日本の思想をアメリカに、アジアに、ヨーロッパに紹介することです。
こうして相互に理解しあうことが、大きく言えば戦争を避ける最良の手段だと思うからです。


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